ジャーナル

腰痛の治し方|マッサージでは届かない「インナーマッスル」からの根本解決

「マッサージに行った直後は楽になるのに、また数日で元通り。」
「デスクワークで座りっぱなしの毎日、腰が重だるくて集中力も続かない。」
「湿布や鎮痛剤でごまかしながら、もう何年も付き合っている腰痛。」

こんな風に感じたことはありませんか。
実はその腰痛、表面の筋肉をほぐすだけのケアでは、根本的な解決にたどり着きにくいのです。
今回は、腰痛と深く関わる「インナーマッスル」に注目しながら、なぜ繰り返す腰痛が起こるのか、そしてどうすれば根本から整えていけるのかを、身体の仕組みに沿ってお伝えしていきます。

腰痛の根本原因は「インナーマッスルの機能低下」にある

スーツ姿で腰に手を当てて、つらそうにしているビジネスパーソン

腰を支えているのは、表面の筋肉だけではない

腰痛というと、腰まわりの大きな筋肉が張っているイメージを持つ方が多いかもしれません。
ですが、身体の内側には、腰椎(腰の骨)一つひとつを支える小さく深い筋肉が存在します。
その代表が、背骨に沿って縦に連なる「多裂筋(たれつきん)」という筋肉です。
多裂筋は、腰椎のすぐそばで、まるで建物の基礎を支える鉄筋のように、一つひとつの骨を安定させる役割を担っています。
この深層の筋肉がうまく働かなくなると、腰椎を支える土台そのものが揺らいでしまい、周囲の大きな筋肉が過剰に頑張って腰を守ろうとします。
結果として、腰まわりが常に張った状態になり、慢性的な腰痛へとつながっていくのです。

腰痛を経験すると、この多裂筋はごく短期間で働きが低下することがわかっています4)。
さらに厄介なことに、痛みそのものが治まった後も、この機能低下がそのまま残ってしまうケースが多いと報告されています4)。
つまり「痛みが消えた=根本的に治った」とは限らないのです。
表面だけをほぐして一時的に楽になっても、身体の内側の土台がそのままであれば、腰痛は形を変えて何度でも戻ってきてしまいます。

マッサージやストレッチが「一時しのぎ」で終わってしまう理由

マッサージを受けて、リラックスしている女性

マッサージやストレッチが無意味というわけではありません。
緊張した筋肉をゆるめ、一時的に血流を良くする効果は確かにあります。

ただ、それだけでは「なぜその筋肉が緊張したのか」という根本の原因には触れられていないのです。
腰を支えるインナーマッスルを正しく使うトレーニングと、ただ身体を動かすだけの一般的な運動を比べた研究では、インナーマッスルを使うトレーニングの方が、痛みの軽減において短期間でより高い効果を示すことがわかっています3)。
一方で、その効果の差は長い期間が経つと縮まっていくという報告もあります3)。

これは裏を返せば、インナーマッスルへのアプローチを一度やって終わりにするのではなく、日常の中で使い続けられる状態に育てていくことこそが、根本解決への近道だということを示しています。

インナーマッスルが連動して働くと、身体はこう変わる

屋外で座り、両手を広げて呼吸を整えている男性

腰まわりは、4つの筋肉がチームになって支えている

お腹の深いところにある腹横筋、腰椎を支える多裂筋、骨盤の底にある骨盤底筋、そして胸とお腹を隔てる横隔膜。
この4つの筋肉は、それぞれが別々に頑張っているのではなく、常にお互いの動きを感じ取りながら、ひとつのチームのように連動して働いています。
横隔膜が下がって胸とお腹の間の圧力を生み出し、その圧力を腹横筋が前と横から、多裂筋が背中側から、骨盤底筋が下から、それぞれ受け止めることで、腰椎はぐらつくことなく安定した状態を保つことができるのです。
たとえるなら、4方向から同じ強さでそっと支え合っている状態です。
どれか一つでも力を発揮できなくなると、残りの筋肉に負担が偏り、腰椎を支える力そのものが弱くなってしまいます。

横隔膜を使ったトレーニングを行ったグループでは、横隔膜そのものだけでなく、腹横筋や多裂筋といった他のインナーマッスルの厚みにも良い変化が見られ、腰の痛みも軽くなったという研究結果が報告されています1)。
これは、4つの筋肉のうち一つを正しく働かせることで、チーム全体の機能が底上げされていくことを意味しています。
さらに別の研究でも、インナーマッスルを連動させるトレーニングを行ったグループは、有酸素運動を行ったグループよりも、腰まわりを支える筋肉と横隔膜の働き方に優れた改善が見られたと報告されています2)。
トレーニング直後に劇的な変化を感じなくても、身体の内側では静かに、しかし着実に土台が組み直されている。
そう考えると、根本改善への道のりが少し具体的に見えてくるのではないでしょうか。

根本からインナーマッスルを整える、HOOPのアプローチ

ここまでお伝えしてきた通り、万年腰痛から本当に抜け出すためには、表面の筋肉をほぐすケアだけでなく、腰椎を支えるインナーマッスルそのものの機能を取り戻していくことが欠かせません。
PRIVATE GYM HOOPでは、プロサッカーチームのリハビリやコンディショニングを担当してきた理学療法士の資格を持つトレーナーが、お一人おひとりの身体の状態をしっかりと評価した上で、腰まわりを支える4つの筋肉を正しく働かせるためのプログラムを組み立てています。
身体の内側から圧をかける感覚を取り戻すために、正しく呼吸をできるように身体を整えるところから始めます。
この土台づくりを経たうえで、日常の姿勢やプレーに必要な動きの中でもインナーマッスルがきちんと働き続けられる身体へと、段階的に作り変えていきます。
マッサージでは届かなかった根本の部分に、理論に基づいたアプローチで向き合いたいという方は、ぜひ一度、気軽な気持ちで相談してみてください。
【LINE公式】まずは無料相談!呼吸から整えるパーソナルトレーニングについて聞いてみる >>

MR.HOOPのワンポイント・アドバイス

やあ!みんな、調子はどう?MR.HOOPだよ!
長い会議中、気づいたら椅子にどっかり体重を預けて、腰が丸まってないかな。
その座り方を続けていると、腰を支える奥の筋肉はどんどんサボり癖がついちゃうんだよね。
筋肉って、使われない時間が長いほど「自分が働かなくていい」って勘違いしていくものなんだ。
だから痛みがない日こそ、実は要注意だったりするのさ。
エレベーターを待ってるちょっとした立ち時間に、お腹の奥にきゅっと力を入れて姿勢を整えるだけでも十分だよ。
派手なトレーニングじゃなくていい、その小さな積み重ねが、根本から腰を強くしていくはずさ。

おわりに

腰痛は、表面の筋肉をほぐすだけでは根本的な解決に至りません。
腰椎を内側から支えるインナーマッスルの機能が低下していることこそが、繰り返す腰痛の本当の原因であることが、数々の研究からも見えてきています。
横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋という4つの筋肉を正しく連動させることができれば、腰はもっと安定した状態を取り戻すことができます。
一時しのぎのケアを繰り返す毎日から抜け出し、根本からの改善を目指したい方は、まず自分の身体の土台がどうなっているのかを知るところから始めてみてはいかがでしょうか。

引用文献

1)Finta R, Nagy E, Bender T. The effect of diaphragm training on lumbar stabilizer muscles: a new concept for improving segmental stability in the case of low back pain. Journal of Pain Research, 2018. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6276912
2)Investigation of the effects of different treatment approaches on lumbar stabilizer muscles and diaphragm motility in individuals with chronic low back pain. Turkish Journal of Physical Medicine and Rehabilitation, 2024. https://ftrdergisi.com/pdf.php?id=4536
3)A Meta-Analysis of Core Stability Exercise versus General Exercise for Chronic Low Back Pain. PLOS ONE, 2012. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3524111
4)Muscle Control and Non-specific Chronic Low Back Pain. Wiley Open Access Collection. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5814909
5)Exercise and tropism of the multifidus muscle in low back pain: a short review. Journal of Physical Therapy Science. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4395749