「トレーナーに診てもらった直後は楽なのに、数日たつと元に戻ってしまう」
「どこまで動いていいのか、休むべきなのか、自分では判断できない」
「忙しくて通えない時期に限って、調子を崩してしまう」
こんなふうに感じている方は、とても多いです。
実はこの悩みの根っこには、「身体の状態を自分で把握して整える力」が育っていないという共通点があります。
この記事では、自分で身体を管理できるようになるための考え方と、毎日の具体的なやり方をお伝えします。
読み終えるころには、「今日の自分はどんな状態か」を自分の言葉で説明できるようになるはずです。
自分で身体を管理するとは、どういうことなのか

セルフコンディショニングの定義
自分で身体を管理するというのは、専門的にはセルフコンディショニングと呼ばれる取り組みです。
アスレティックトレーナーは、自分自身で身体を良い状態に保つ取り組みをセルフコンディショニングと位置づけています。
その理論の土台は「基礎を大切にすること」で、環境に頼らず、自分自身を見直して力を高めていくことが目的です。2)
つまり、特別な道具や高い施術に頼る話ではありません。
自分の身体の変化に気づき、必要な手を打てる状態をつくることが、セルフコンディショニングの中身です。
トレーナーに任せきりにしない理由
アスレティックトレーナーの役割は、ケガや障害の予防、応急対応、コンディショニングとリコンディショニング、安全と健康の管理の4つに整理されています。1)
そして、本人が自分の状態を整えるセルフコンディショニングの知識を広めることも、大切な役割の一つです。1)
プロの現場でも、トレーナーが毎日すべてを面倒みているわけではありません。
施術を受けていない時間のほうが圧倒的に長いからです。
その長い時間を自分で支えられる人ほど、調子の波が小さくなります。
たとえるなら「自分の身体の運転手」になること
車に例えると、整備工場に任せるだけでなく、自分でメーターを見て、警告灯に気づける運転手になるイメージです。
整備士がどれだけ優秀でも、運転手が異音を無視して走り続ければ、いつか故障します。
逆に、早めに気づいて整備に出せば、大きな故障は防げます。
身体も同じで、慢性的な不調は原因を見つけて早めに手を入れることで、大きなケガを防げるとされています。1)
身体の声に気づく力を育てる「ボディアウェアネス」

まず必要なのは「感じ取る力」
管理するには、まず今の状態を感じ取れなければ始まりません。
「肩が張っている」「脚がいつもより重い」「どこか力が抜けない」といった身体内部の信号に気づく力は、専門的にはインテロセプションと呼ばれます。
この感覚に注意を向けて受け止める習慣は、不調との付き合い方に大きく関わります。3)
気づく練習をした人に起きる変化
ヨガやマインドフルネスなど、身体の感覚に注意を向ける実践を続けた人では、身体への気づきが高まることが報告されています。
なかでも、身体への注意を使って不快な状態を自分で調整する力が、最も安定して伸びています。3)
さらに、痛みの強さそのものが大きく変わらなくても、日常生活で動ける度合いが良くなる傾向があります。3)
「痛みをゼロにしないと動けない」と考えていた方にとって、これは大きなヒントです。
身体と上手に付き合えるようになれば、痛みに振り回されにくくなります。
今日からできる、1分の身体チェック
難しいことは必要ありません。
朝起きたときと夜寝る前に、次の3点だけ確かめてみてください。
- 首、肩、腰のどこかに重さや張りはないか
- 立ったときに左右どちらかへ体重が寄っていないか
- 身体全体のだるさを10段階で表すと、いくつか
これを毎日続けると、「いつもの自分」の基準ができます。
基準があるから、「今日はいつもと違う」に気づけるのです。
気づけた日は、無理をせず強度を落とす。
それだけでも、ケガや不調の予防として十分に意味があります。
自分の状態を数字と言葉で記録して、身体の管理に活かす

きつさと運動時間をかけ合わせる考え方
身体の状態は、感覚だけに頼ると日によってぶれます。
そこで役に立つのが、簡単な記録です。
運動のあとに「どれくらいきつかったか」を点数にして、運動した時間とかけ合わせると、その日の負荷の目安になります。
この方法は費用がかからず、手軽に使えるうえ、有効な方法として知られています。4)
記録は「ひとつの指標」に頼らない
ここで大切なのは、ひとつの数字だけで判断しないことです。
負荷の数字、睡眠、疲れ具合、気分といった、主観的な感覚と客観的な数字を組み合わせると、全体像が見えてきます。4)
しかも、毎日びっしり記録する必要はありません。
シンプルで、自分に合った方法を、週に1回か2回のペースで続けるほうが長続きします。4)
続けられない管理法は、管理法として成り立たないからです。
正直に書くことが、いちばん大切
記録でいちばん邪魔になるのは、「痛いと書いたら練習を休まされる」と考えて、状態を隠してしまうことです。
実際に、ケガや不調を軽く見せたり隠したりする選手が多いことが問題として指摘されています。4)
自分の状態をごまかした時点で、管理はできなくなります。
また、選手本人が報告する指標は、質の確かな質問で集めることが重要だと示されています。5)
「いつから」「どの動きで」「どれくらい」と、具体的に書き残してください。
その具体性が、専門家に相談するときの何よりの材料になります。
睡眠を管理の軸にする
記録する項目のなかで、まず押さえてほしいのが睡眠です。
睡眠が良好な選手ほど、練習を休む日や体調を崩す日が少なく、持久力や反応の速さ、気分も良い状態を保てています。6)
反対に、睡眠が不足するとケガの増加と結びつきます。6)
睡眠の知識を学ぶだけでは習慣は定着しにくく、自分の生活に合わせた個別の計画を立てたほうが、睡眠時間が増えやすいことも分かっています。6)
だからこそ、「何時に寝て、朝どうだったか」を記録して、自分専用の睡眠のルールをつくることが近道です。
自分で整えながらプロの力を借りる、PRIVATE GYM HOOPのアプローチ

セルフケアだけでは届かない部分がある
ここまでお伝えした気づく力と記録の習慣は、身体を管理する土台になります。
ただ、感じ取った違和感の原因が、どこにあるのかまでは自分では分かりません。
腰が重い原因が、腰ではなく股関節や胸まわりの動きにあることは、珍しくありません。
原因を見極める役割は、プロに任せていいのです。
任せたうえで、日々の管理は自分で担う。
この役割分担ができると、身体は驚くほど安定します。
PRIVATE GYM HOOPが大切にしていること
PRIVATE GYM HOOPでは、プロサッカーチームのリハビリ、ケア、パフォーマンストレーニングに携わってきた、理学療法士の資格を持つトレーナーが施術とトレーニングを担当します。
その場で痛みを和らげて終わりにはしません。
HOOPでは、なぜその不調が起きたのかを一緒に確認し、日常で自分でできる整え方までお渡しします。
呼吸を整えたうえで、プレーや日常動作に必要な身体を、土台から適切につくり直していくのが特徴です。
デスクワークで固まった身体の方も、競技で身体を酷使している方も、考え方は同じです。
「自分の状態が分かる」「崩れても自分で戻せる」。
その状態をゴールにして伴走します。
通わなくても調子を保てる身体になることが、HOOPの目指す形です。
気になっている方は、まず気軽に相談してみてください。
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MR.HOOPのワンポイント・アドバイス

やあ!みんな、調子はどう?MR.HOOPだよ!
身体の管理って聞くと、なんだか堅苦しく感じるよね!
でも、実は歯みがきと同じで、毎日ちょっと続けるだけでいいんだよね!
朝起きたときに「今日の身体、どう?」って自分に聞いてあげる。
それだけで、身体はちゃんと答えてくれるはずさ。
調子が悪い日があっても、落ち込まなくて大丈夫だよね!
それに気づけたのは、ちゃんと自分の身体を見ている証拠さ。
気づいたら、休むか、整えるか、プロに相談するか。
自分で選べるようになったら、最高にカッコいいはずさ。
おわりに
自分で身体を管理できるようになるために必要なのは、特別な道具ではありません。
身体の声に気づく力、状態を記録する習慣、睡眠を軸にした生活の整え方。
この3つを、無理のない形で続けることです。
そして、原因の見極めが必要なときは、迷わずプロの力を借りてください。
自分で整える力とプロの視点がそろえば、不調に振り回される毎日から抜け出せます。
今日の夜から、まずは1分の身体チェックを始めてみましょう。
引用文献・
1)All About「スポーツトレーナーとは違う?アスレティックトレーナーの仕事・役割」2021年 https://allabout.co.jp/gm/gc/490631/
2)ヤキュイク(ベースボールキング)「『基礎から学ぶスポーツセルフコンディショニング』発売のお知らせ」2018年 https://baseballking.jp/yakyuiku/182110/
3)Mind-body practices, interoception and pain: a scoping review of behavioral and neural correlates. Annals of Medicine, 2023. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10768869/
4)Training, Wellbeing and Recovery Load Monitoring in Female Youth Athletes. International Journal of Environmental Research and Public Health, 2022. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9517577/
5)Self-Reported Outcome Measures of the Impact of Injury and Illness on Athlete Performance: A Systematic Review. Sports Medicine, 2017. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5488135/
6)Sleep and Performance in Professional Athletes. Current Sleep Medicine Reports, 2023. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9843114/