ジャーナル

疲れが残る夜はなぜ起きる?仕事帰りから始める、寝ても抜けない疲れのセルフケア

「家に帰ったら、もうソファから動けない」
「ちゃんと寝たはずなのに、朝から身体が重い」
「疲れているのに、布団に入ると目が冴えてしまう」

こんな夜を、ここ最近ずっと繰り返していませんか?
仕事帰りの電車で揺られている時点で、もうぐったり。
家に着いても、ごはんを作る気力も、お風呂に入る元気も残っていない。
そんな毎日だと、「年齢のせいかな」と諦めたくなりますよね。
でも、疲れが夜まで残る原因は、体力不足とは限りません。
多くの場合、頭と身体の「スイッチ」が入りっぱなしになっているだけなんです。
この記事では、疲れが残る夜の正体と、仕事帰りから今夜すぐに始められるセルフケアをお伝えします。
読み終えるころには、「今日はここから変えてみよう」と思えるはずです。

疲れが残る夜の正体は、頭と身体の「スイッチ」が入りっぱなしなこと

ネクタイを緩めてソファに沈み込む、帰宅直後のビジネスパーソン

疲れが夜まで抜けないのは、体力が足りないからではありません。
日中に働き続けた身体が、「活動モード」のまま夜を迎えてしまっているからです。
身体には、活動モードを担当する交感神経(アクセルの役割)と、休むモードを担当する副交感神経(ブレーキの役割)があります。
この2つは、1日のなかで何度も切り替わりながら、必要なときに働いています。1)
ところが、この切り替えがうまくいかなくなると、疲労がたまり、心身の回復に影響が出ます。1)

日中の緊張が、夜まで続いている

忙しさやストレスが続くと、呼吸は自然と浅く、速くなります。
呼吸の回数が多い状態は、脳に「いまは活動中だ」と伝え続けているようなものです。
すると交感神経が入りっぱなしになり、疲れやすくなるうえ、夜なら睡眠の質も落ちていきます。2)
横になっても頭が休まらない。
寝ているのに疲れる。
これは日中の緊張が夜まで続いている人の、典型的な状態です。3)

前かがみ姿勢で、息が吐きにくい身体になっている

パソコン作業、スマホ、家事。
気づけば一日中、前かがみで過ごしていませんか?
その姿勢が続くと、肋骨が本来の位置より上がり、肩をすくめるような呼吸が癖になります。3)
たとえるなら、きつめのボディスーツを着たまま、一日中過ごしているようなものです。
胸から肩、首にかけてが突っ張って、息を吐き切れません。
すると、本来使いたい横隔膜(呼吸の主役になる筋肉)ではなく、首や肩、腰で呼吸するようになり、寝ていても疲れが取れなくなります。3)

仕事帰りの時間で、頭を仕事から切り離す

空を見上げるビジネスパーソン

疲れを残さないために、帰り道から始められることがあります。
それは、仕事のことを頭の中で追いかけ続けるのをやめることです。
仕事の要求が高い人ほど、そして勤務時間外にも仕事に関わる人ほど、仕事から気持ちを離しにくいことが分かっています。4)
気持ちを仕事から離す時間は、仕事の疲れから回復するための大切な過ごし方です。4)

こんな研究があります。
仕事が終わったあとに、意識を仕事から離す時間を持つと、イライラや緊張といった気分が和らぎました。5)
とくに注目したいのは、仕事終わりにイライラや不安が強かった人ほど、その効果が大きかったことです。5)
「今日は最悪だった」という日ほど、意識的に仕事を手放す価値があるということです。5)

帰り道では、次のことを試してみてください。

  • 好きな趣味や、週末の楽しみを頭の中で思い浮かべる。
  • 電車の中では、仕事のメールやチャットを開かない。
  • 「今日の仕事はここまで」と、心の中で区切りの言葉を決めておく。

ほんの小さな切り替えですが、帰宅したときの身体の重さが変わってきます。

呼吸で身体を休息モードに切り替える、夜のセルフケア

ベッドの上で目を閉じて静かに座っている人

頭を仕事から離したら、次は身体です。
身体の切り替えスイッチのなかで、自分の意思で動かせるのは呼吸だけです。
心拍数やホルモンの分泌は意識して変えられませんが、呼吸の仕方は自分で変えられて、自律神経に直接働きかけます。1)

呼吸については、次のような研究があります。
仕事のストレスを受けたあとに、ゆっくり整える呼吸を短く行うと、身体が回復のモードに戻りやすくなりました。6)
何もせずに座っているだけの人や、身体の感覚に意識を向けるだけの人と比べて、呼吸を整えた人のほうが、心臓のリズムが穏やかに整っていたそうです。6)
疲れた夜は、ただ休むより、呼吸を整えて休むほうが回復が進むということです。6)

もうひとつ、ストレスのかかる作業の前後に、短く呼吸を整える時間を入れる研究があります。
ゆっくり整える呼吸は、速く行う呼吸よりも、頭の働きを保ちやすいことが分かりました。
急いで深く吸うより、ゆっくり吐くほうが、身体にも頭にも合っているということです。7)

帰り道、帰宅後、寝る前の「呼吸を整える方法」

やり方はシンプルです。
ポイントは、吸うことより、吐くことに意識を置くことです。2)

  1. 鼻から3秒かけて吸います。
  2. 9秒から12秒かけて、ゆっくり吐き切ります。慣れるまでは、口をすぼめて吐いても大丈夫です。
  3. 吐き切った状態で、3秒止めます。

これを1セットとして、3分ほど繰り返します。1)2)
最初は、少し苦しいくらいがちょうどいいです。
吐き切った状態で止めるのは、息を吐き切った状態に身体を慣らすためです。2)
このセルフケアを、帰りの電車の中、帰宅後、寝る前の1日3回に分けて行ってみてください。1)

寝る前は、目を閉じて行うと、さらに眠りに入りやすくなります。
吐くときに心の中でゆっくり数え、止める3秒は「3、2、1」とカウントダウンします。2)
寝る前に呼吸を整えておくと、眠っている間も呼吸が浅くなりにくくなります。2)
さらに、歯を食いしばらず、舌を上あごにそっとつけておくと、頭が安定して呼吸もしやすくなります。3)
仰向けで肋骨に手を置き、吐くときに肋骨が下がっていくかを確認するのもおすすめです。2)

それでも抜けない疲れは、身体の使い方そのものから整える

頭の切り替えと呼吸を整えるだけでも、夜の疲れは確実に軽くなります。
それでも毎日同じ疲れが戻ってくるなら、原因は身体の使い方そのものに隠れています。
前かがみの姿勢で固まった肋骨や肩まわり、息が吐きにくい身体の状態は、セルフケアだけでは戻りやすいからです。3)
マッサージを受けた直後は楽になるのに、数日で元に戻ってしまう。
そんな方は、疲れの出どころが筋肉の表面ではなく、身体の使い方の癖にあります。

PRIVATE GYM HOOPでは、プロサッカーチームのリハビリ・ケア・パフォーマンストレーニングに関わってきた理学療法士の資格を持つトレーナーが、一人ひとりの身体を丁寧に見ています。
まず呼吸を整えます。
そのうえで、日常の動きや競技のプレーに必要な身体を、適切に作っていく。
そのように人の身体を整えてから身体の向上をさせていくというジムです。
痛みや疲れの根本から見直したい方は、一度ご相談ください。

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MR.HOOPのワンポイント・アドバイス

オールバックで爽やかに笑う16歳の男の子のマスコット、MR.HOOPが人差し指を立てている

やあ!みんな、調子はどう?MR.HOOPだよ!
会議の直前なのに、なぜか頭が回らない日ってあるよね!
あれは気合が足りないんじゃなくて、息が浅くなって、身体が緊張しっぱなしになっているサインかもしれないよ。
そんなときは、会議室に入る前に、ゆっくり吐く息を意識してみて。
それだけで、頭の中が静かに整っていくはずさ。
残業が続いた夜も同じだよね!
「あと少しだけ」と画面を見続けるほど、身体は休むタイミングを見失ってしまうはずさ。
布団に入ったら、スマホを置いて、目を閉じて、吐く息を数えてみて。
朝の身体の軽さが、きっと変わってくるはず!
疲れを残さない秘訣は、気合じゃなくて切り替えだよね!

おわりに

朝の光が差し込む部屋で、すっきり目覚めたビジネスパーソン

疲れが夜まで残る原因は、頭と身体のスイッチが入りっぱなしになっていることでした。
帰り道で頭を仕事から離し、帰宅後と寝る前に、吐く息を長くした呼吸で身体を休息モードに切り替える。
これだけで、夜の過ごし方は大きく変わります。
それでも疲れが抜けないときは、身体の使い方そのものを見直すタイミングです。
今夜は、帰りの電車でスマホを閉じて、3分だけ吐く息に意識を向けてみてください。
小さな一歩が、明日の朝の身体を変えていきます。

参考文献・引用文献

1)【専門家監修】免疫力を高める方法!自律神経を整える呼吸とは. Panasonic UP LIFE, 2026. https://panasonic.jp/life/health/160106.html
2)呼吸が浅い人必見!更年期を克服する「吐くだけ」キホンの呼吸とは. 輝きプロジェクト, 2025(2026年更新). https://www.kagayaki-project.jp/lifestyle/selfcare/2025-0501/
3)【プロが教える呼吸のコツ】今からできる!深い睡眠のための「呼吸のお話」. YogaFull, 2024. https://yoga-lava.com/yogafull/9373/
4)A Meta-Analysis on Antecedents and Outcomes of Detachment from Work. Frontiers in Psychology, 2017. https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2016.02072
5)To Detach or Not to Detach? Two Experimental Studies on the Affective Consequences of Detaching From Work During Non-work Time. Frontiers in Psychology, 2020. https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2020.560156/full
6)Exploring the Effects of a Brief Biofeedback Breathing Session Delivered Through the BioBase App in Facilitating Employee Stress Recovery: Randomized Experimental Study. JMIR mHealth and uHealth, 2020. https://mhealth.jmir.org/2020/10/e19412/
7)Acute effect of breathing exercises on muscle tension and executive function under psychological stress. Frontiers in Psychology, 2023. https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2023.1155134/full