ジャーナル

長時間のデスクワークによる腰痛を予防する習慣|座りっぱなしでも腰を守る5つのコツ

「夕方になると、腰がずーんと重くて、もう座っていられない」
「マッサージに行って楽になっても、数日でまた元通り」
「立ち上がる瞬間、腰が固まっている気がして、すぐには歩き出せない」
こんなふうに感じながら、毎日パソコンの前に座っていませんか。
仕事だから座るのは仕方ない。
でも、このまま何年も腰の重さと付き合っていくのは、正直しんどいですよね。

この記事では、長時間のデスクワークで腰が痛くなる理由と、今日から始められる予防の習慣をお伝えします。
読み終えるころには、「ただ我慢するしかない」から「ここを変えればいいんだ」に、気持ちが少し切り替わっているはずです。

長時間のデスクワークと腰痛の関係|なぜ座っているだけで腰がつらくなるの?

デスクで前かがみになり、腰に手を当てているビジネスパーソン
座っているだけなのに、どうして腰が疲れるのでしょう。
不思議に思いますよね。
実は座っている間も、背骨や骨盤を支える筋肉は、ずっと働き続けています。
同じ姿勢のまま動かないと、筋肉は固まりやすくなります。
こわばりが少しずつ積み重なって、夕方の「ずーん」とした重さになっていくんです。
実際に、デスクワークの方の多くが腰の痛みや悩みを抱えていて、痛みを感じやすい場面として最も多かったのは「長時間座りっぱなしの間やその後」でした1)。
あなたの腰が重いのは、気のせいでも、体力不足でもありません。

こまめに立ち上がる人ほど、痛みを感じにくい

ある大規模な調査では、仕事中にほとんど座りっぱなしの人ほど、腰や首の痛みを感じやすい傾向がありました。
一方で、こまめに立ち上がって座りっぱなしを断ち切っている人は、痛みを感じにくい傾向があったそうです。
特別な運動ではなく、「立つ」という小さな行動の差が、体の状態に表れているのは興味深いところです。
ただ、アンケートをもとにした調査なので、休憩が痛みを防ぐとまでは言い切れません2)。

腰痛を予防する習慣|「立つ」「姿勢を変える」を仕組みにする

オフィスの窓際で、両腕を上にのばして背伸びをしている女性
では、具体的に何をすればいいのでしょうか。
まず取り入れてほしいのは、座りっぱなしを断ち切る習慣です。

  • 30分に一度を目安に、立ち上がる(コピー、水を飲む、トイレなど理由は何でも大丈夫です)。
  • 座ったままでも、足の組み方、お尻に乗せる体重の位置、骨盤の角度をこまめに変える。
  • スマホのタイマーや、PCの通知を「立つ合図」にして、意志の力に頼らない。
  • 昼休みや帰り道に、少し長めに歩く。

「忙しくて、そんな余裕はない」という声が聞こえてきそうです。
でも、体を動かす休憩を取り入れたグループと、座ったまま姿勢をこまめに変えたグループは、何もしないグループよりも、新しく腰が痛くなる人が少なかったことがわかっています。
立てないときは、座ったまま姿勢を変えるだけでも意味がある、ということですね。
ただし、特定の地域の、女性が多いグループが対象なので、すべての人に当てはまるとは言い切れません3)。

休憩だけで万事解決、とは言えない

体を動かす習慣と、椅子や机まわりの環境を整えることを組み合わせると、痛みが軽くなるという研究もあります。4)
休憩を取るのは大切な第一歩。
けれど、それだけでは足りない人もいる、ということです。
マッサージに通っても、休憩を意識しても治らない「万年腰痛」の場合は、もう少し奥に原因があるかもしれません。

万年腰痛の正体は「体幹の使い方」?横隔膜と骨盤のチームワーク

お腹まわりに手を当てて、体幹を意識している女性
体幹を、一本の缶をイメージしてみてください。
ふたにあたるのが横隔膜。
底にあたるのが骨盤の底にある筋肉(骨盤底筋群)です。
胴まわりの深い筋肉も一緒になって、お腹の中の圧力(腹腔内圧)を高め、背骨のゆるやかなS字カーブを保っています5)。
缶の「ふた」と「底」がうまく向かい合っているとき、体幹は安定して、腰に余計な負担がかかりません。
でも反り腰や猫背になると、ふたと底がずれてしまい、うまく働けなくなります5)。

緊張が続くと、体幹のチームワークが崩れる

仕事のストレスで緊張が続くと、呼吸が浅くなりがちです。
すると、本来働くはずの横隔膜の代わりに、首や背中の筋肉(呼吸を手伝う筋肉)が頑張って、胸まわりを動かすようになります。
ひどくなると、腰を突き出すようにして無理やり息を吸う、というクセまでつくそうです5)。
息を吸うときに肩が上がる、胸が反る。
思い当たる方は、体幹のチームワークが少し崩れているサインかもしれません。
筋肉は一枚ずつバラバラに働いているわけではなく、全身を包むボディスーツのようにつながっています。
横隔膜は、腰の奥から脚へのびる大腰筋ともつながっているので5)、ここが固まると、腰まわりにもじわじわ影響が出てくるんです。
呼吸を専門にするトレーナーも、呼吸の仕方が変わると、緊張しすぎていた筋肉が頑張らなくてよくなり、姿勢が原因の腰痛や肩こりが変わってくる、と考えています6)。

腰痛のある人は、呼吸が乱れやすい

こんな研究もあります。
慢性的な腰痛のある人は、体を安定させる動きをするときに、呼吸のリズムが乱れやすいことがわかりました。
面白いのは、それが痛みの強さではなく、体の使い方のうまくいかなさと関係していたことです。
痛いから呼吸が乱れる、というだけではなさそうなんですね。
少人数の研究なので、すべての人に当てはまるとは言い切れません7)。

さらに、体幹を安定させる運動に、横隔膜を使う呼吸を組み合わせた研究もあります。
運動だけを行ったグループと比べて、お腹の深い筋肉が働きやすくなり、胸もより広がりやすくなりました。
痛みや睡眠の改善は、どちらのグループにも見られています。
こちらも少人数が対象なので、まだ確かなことは言い切れません8)。

休憩のたびに、まず「吐く」ことから

最後に、今日からできる簡単な習慣をひとつ。
深呼吸というと、つい「吸う」ことに意識が向きますが、まずはたっぷり「吐く」ことから始めてみてください9)。
目安として、3秒で吸って、6秒で吐いて、3秒止める。
これを3分ほど、1日に数回くり返します6)。
立ち上がったついでや、トイレの帰りなど、「ついで」で十分です。

デスクワーク腰痛を根本から予防するために|HOOPのアプローチ


ここまで読んで、「習慣は分かったけれど、自分の場合は何が原因なのか分からない」と感じた方もいると思います。
それは、とても自然なことです。
腰の痛みは、人によって原因が違うからです。
骨盤の傾きが原因の人もいれば、体幹の使い方、肋骨や背骨の動き、ストレスによる緊張が原因の人もいます。
マッサージで一時的に楽になっても戻ってしまうのは、根っこの部分がそのままだからかもしれません。

HOOPでは、プロサッカーチームをリハビリ・ケア・パフォーマンストレーニングしてきた理学療法士の資格を持つトレーナーが施術しています。
まずは今の体の状態を丁寧に確認して、「どこが、なぜ、うまく働いていないのか」を一緒に見つけていきます。
そして呼吸を整えた上で、骨盤や背骨のアライメント(骨の並び)と、体幹の深い筋肉の働きを少しずつ取り戻し、必要な身体を適切につくっていきます。
痛みを取るだけでなく、「痛くなりにくい体」を目指すイメージです。
座っている時間が長い毎日でも、腰がラクでいられる。
そんな状態を、一緒に目指しませんか。
「自分の腰痛の原因が気になる」という方は、まずは気軽にご相談ください。

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MR.HOOPのワンポイント・アドバイス

MR.HOOP
やあ!みんな、調子はどう?
MR.HOOPだよ!

腰の重さって、気づいたときにはもう手遅れ、みたいなところがあるよね!
会議前に集中したいのに、腰が気になって話が入ってこない。
残業が続いた夜、ぐったりして何もする気にならない。
スマホを見ながら寝落ちして、朝起きたら体がバキバキ。
そんな日常、心当たりがあるんじゃないかな。
大事なのは、がんばって何かを足すことより、「座りっぱなしを断ち切る」小さな合図を作ることだよね!
会議の合間に一回立つ。
メールを送ったら一回吐く息を長くする。
寝る前は、スマホを置いて、ゆっくり息を吐いてみる。
これだけでも、体は少しずつ切り替わっていくはずさ。
やった直後に何も感じなくても、体の中では静かに変化が始まっているかもしれないよ。
続けるコツは、完璧を目指さないこと。
今日できる一回を、まずやってみてね!

おわりに

長時間のデスクワークによる腰痛は、座っている時間の長さだけが原因ではありません。
座りっぱなしを断ち切る習慣、姿勢をこまめに変えること、そして体幹がうまくチームで働くこと。
これらが重なって、腰の負担は大きく変わってきます。
まずは、30分に一度立つこと。
そして休憩のたびに、息をふーっと長く吐くこと。
今日からできる小さな一歩から、始めてみてください。
それでも「なかなか変わらない」と感じるときは、一人で抱え込まず、体の根本から見直すタイミングかもしれません。
あなたの腰が、少しでも軽くなる毎日を応援しています。

引用文献

1)日本シグマックス株式会社「デスクワークにおける腰痛とその対処法に関する調査レポート」2024年6月27日.
https://www.sigmax.co.jp/wps/wp-content/uploads/2024/08/20240627【プレスリリース】デスクワークにおける腰痛とその対処法に関する調査レポート(確定).pdf
2)Workplace sitting is associated with self-reported general health and back/neck pain: a cross-sectional analysis in 44,978 employees. BMC Public Health. 2021;21:875.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8101162/
3)Effects of an active break and postural shift intervention on preventing neck and low-back pain among high-risk office workers: a 3-arm cluster-randomized controlled trial. Scand J Work Environ Health. 2021;47(4):306-317.
https://www.sjweh.fi/article/3949
4)Interventions for preventing back pain among office workers – a systematic review and network meta-analysis. Scand J Work Environ Health. 2023;49(1):5-22.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10549919/
5)ストレス過多に要注意。使える体幹作りに「横隔膜強化」が必須なワケ. Tarzan Web(マガジンハウス). 2024年1月30日.
https://tarzanweb.jp/post-297151
6)【専門家監修】免疫力を高める方法!自律神経を整える呼吸とは. Panasonic UP LIFE. 2026年3月25日.
https://panasonic.jp/life/health/160106.html
7)Altered breathing patterns during lumbopelvic motor control tests in chronic low back pain: a case–control study. Eur Spine J. 2009;18(7):1066-1073.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2899579
8)Effect of Adding Diaphragmatic Breathing Exercises to Core Stabilization Exercises on Pain, Muscle Activity, Disability, and Sleep Quality in Patients With Chronic Low Back Pain: A Randomized Control Trial. J Chiropr Med. 2023;22(4):275-283.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10774616/
9)呼吸専門サロン体験レポート/「息を吐く」にフォーカスすると、からだが変わる! 生活が変わる! ワコール「美しい佇まい」. 2023年4月27日.
https://www.bodybook.jp/tatazumai/171794.html