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寝ても疲れが取れない30代40代へ|検査は異常なしでも疲れが抜けない理由を分子栄養学で解説

「8時間はちゃんと寝ているのに、朝起きた瞬間からもう疲れている」
「会議の前になると、頭に霧がかかったみたいで集中できない」
「健康診断では異常なしだったのに、なんでこんなにだるいんだろう」

もしどれかに心当たりがあるなら、この記事はきっとお役に立てるはずです。
30代、40代は、仕事の責任も増えて、自分の体のことが後回しになりがちな時期ですよね。
睡眠時間は確保しているのに、疲れだけが抜けていかない。
検査で異常が見つからないと、「気合いが足りないのかな」と自分を責めてしまう方も少なくありません。

でも、寝ても疲れが取れない理由は、気合いでも年齢でもなく、体の中の「燃料」や「材料」が足りていないことにあるのかもしれません。
この記事では、分子栄養学という考え方をヒントに、血糖と鉄という2つの視点から、疲れが抜けない理由を整理していきます。

寝ても疲れが取れないのに検査は異常なし?分子栄養学という考え方

頬杖をついて疲れた表情でパソコンに向かう会社員

夜中に何度も目が覚める。
午前中はぼんやりして、仕事に集中できない。
こうした不調があっても、血液検査では問題が見つからず、「特に心配ありません」と言われてしまう方は、実はとても多いといわれています1)。
病気と診断されるほどではないけれど、元気とも言えない。
そのグレーゾーンに光を当てるのが、分子栄養学です。

分子栄養学は「あなた専用の栄養の見方」

分子栄養学とは、一人ひとりにとって最適な量の栄養素を使い、体をつくる細胞の一つひとつがきちんと働ける状態を目指す栄養学のことです1)。
洋服で例えてみますね。
一般的な栄養の指針は、多くの人に合うように作られた既製服のサイズ表のようなものです。
一方、分子栄養学は、体に合わせて採寸するオーダーメイドに近い考え方です。
年齢、体格、生活スタイル、ストレスの強さによって、必要な栄養素の量は人それぞれ違うと捉えます1)。

数値の見方も少し違います。
健康診断の基準値は、「病気かどうか」を見分けるための線引きです。
分子栄養学では、同じ数値を「細胞が十分に働けているか」という目で見直します1)。
車の燃料計で言えば、ガス欠で止まっていないかを見るのが健診で、気持ちよく走れる余裕があるかを見るのが分子栄養学、というイメージです。
これから出てくる数値は、健診の「正常・異常」とは別の物差しですので、診断ではなく、見直すヒントとして受け取ってくださいね。

慢性的な疲労に栄養の面から向き合うとき、最初に考えるべきだとされているのが、「血糖の問題」と「貧血(鉄欠乏)」の2つです1)。
順番に見ていきましょう。

30代40代の「寝ても疲れが取れない」は血糖の波が原因かも

コーヒーを片手に出勤する笑顔の女性

血糖とは、血液の中のブドウ糖の濃さのことで、体と脳を動かすガソリンのようなものです。
空腹時血糖が低いと、エネルギーが行き渡らない時間が長くなり、脳もうまく働きにくくなるため、疲労の症状を感じやすくなると考えられています1)。
糖尿病の話では「高い血糖」ばかりが注目されますが、疲れの視点では、実は「低い側」に目を向けます1)。

朝のだるさを映す「空腹時血糖」

空腹時血糖とは、食後5時間以上たったときの血糖の値です。
健診の基準値は70〜110ですが、分子栄養学では90〜100が目安です1)。
90を下回ると警告、80を下回ると危険なサインと考え、90未満の方は、1日のどこかで疲労感や眠気を感じていることが多いと説明されています1)。
HbA1c(過去約2か月の血糖の状態を映す数値)は、5.0〜5.4が目安です1)。

こんなパターンに心当たりはありませんか

ある栄養指導の事例を紹介します。
「朝起きるのがしんどい」「昼過ぎに手が震えて落ち着かない」という細身の方は、昼にプロテインだけで済ませたり、食べ損ねたりすることが多かったそうです。
起床時の血糖は78で、健診の基準では範囲内ですが、分子栄養学の目では低めの値です1)。
会議の合間におにぎりをかじって、気づけば夕方まで何も食べていない。
そんな1日、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
この事例では、3食とは別の「補食」を入れ、就寝前にも簡単なスープを少しとることで、血糖が安定し、睡眠の質が上がって、朝すっきり起きられるようになっていくと紹介されています1)。

睡眠と食事は、お互いに影響し合っています

食事と睡眠の関係をまとめた海外のレビューでは、食事の質や特定の栄養素が睡眠の長さや質に影響しうること、逆に睡眠が足りないと食べたいものが変わることが整理されています2)。
寝不足の日に、甘いものやこってりしたものが無性に欲しくなるのも、この関係で説明がつくようです2)。
ただし、この分野の研究は小規模なものが中心で、原因と結果を言い切れる段階ではないことも述べられています2)。

今日からできる見直しは、次の2つです。

  • 食事と食事の間に、おにぎりやバナナなどの補食を挟んで、食べ損ねを防ぐ1)。
  • 寝る前は、温かいスープなどを少しだけとる1)。

疲れが取れない原因は鉄不足?フェリチンと「材料」の話

ほうれん草を添えたレアステーキ

2つ目の視点は、鉄です。
鉄は、全身に酸素を運ぶ赤血球の材料になります。
ヘモグロビン(酸素を運ぶ、赤血球の中のたんぱく質)が足りないと、使える酸素が少なくなり、慢性的な疲労感や息切れにつながる可能性があります1)。
もう一つ大切なのが、フェリチン(体の中の鉄の貯金)です。
給料(ヘモグロビン)は変わらなくても、貯金(フェリチン)が底をつきかけている、ということが起こるわけです1)。

基準値の中でも「足りない」ことがある

女性のヘモグロビンは、分子栄養学では13.5〜14.6 g/dlが目安で、13.5未満が警告です1)。
フェリチンの目安は60〜80 ng/ml、50未満は警告、25未満は危険とされています1)。
紹介されている女性の事例では、ヘモグロビンは12.9で、健診の基準なら範囲内でした。
でも、フェリチンは4以下で、慢性的な疲労感、少し動くと息切れ、突然のパニックといった症状がありました1)。
鉄の多い食品を食べることに加えて、よく噛むことや、炎症を落ち着かせる食事の工夫を行い、不調が寛解したと紹介されています1)。

研究ではどう言われている?

スイスで行われた試験では、貧血のない18〜55歳の女性144人を、鉄のサプリメントのグループとプラセボ(偽薬)のグループに分け、4週間後の疲れを比べました。
疲れの点数は、鉄のグループで29%、プラセボで13%下がりました3)。
注目したいのは、良くなったのがフェリチン50 μg/L以下の女性だけだった点です3)。
さらに、18の試験・1170人をまとめた解析では、鉄の補充は自覚的な疲れの軽減と関連していましたが、客観的な運動能力には差が見られませんでした4)。
疲れの感じ方は軽くなる可能性があっても、体力そのものが上がるとは限らない、ということですね。
だからこそ、自己判断で飲む前に、まず検査でフェリチンを確認することが大切です。

ミネラルと眠りの質

不眠のある60〜75歳の46人に、マグネシウムを1日500 mg、8週間とってもらった試験では、睡眠効率(ベッドの中で実際に眠っている割合)が0.63から0.73に上がりました。
ただし、総睡眠時間に明確な差は出ておらず、対象が高齢者で人数も少ないため、30代40代にそのまま当てはまるとは言えません5)。
それでも、ナッツ、豆、魚介、濃い緑の葉物野菜といった食品は、日々の食事で意識しやすいヒントになります5)。

寝ても疲れが取れない状態から抜け出すには?HOOPの考え方

ここまで、栄養の側面から疲れの原因を見てきました。
逆に言えば、栄養だけを整えても、体の使い方や自律神経の状態が乱れたままでは、疲れの抜けにくさが残ることもあります。
だからHOOPでは、栄養と身体機能の両方から、疲れにくい体づくりを考えています。

栄養の面では、食べているものを7つのカテゴリーに分類した「食品カテゴリーマップ」で、毎日の食事の偏りを見える化します。
何を足すかの前に、まず何が偏っているのかを知る。
ここを押さえると、無理のない見直しがしやすくなります。
身体機能の面では、まず呼吸を整えるところから始めます。
HOOPでは、プロサッカーチームをリハビリ・ケア・パフォーマンストレーニングしてきた理学療法士の資格を持つトレーナーが施術を行っており、呼吸を整えたうえで、日常や競技のプレーに必要な身体を、段階を踏んでつくっていきます。
デスクワークで疲れをためている方にも、競技に打ち込んでいる方にも、考え方は同じです。

HOOPは医療機関ではないため、診断や治療は行えません。
気になる数値や強い症状が続く場合は、まず医療機関で相談してくださいね。
そのうえで、食事や体の使い方から整えたいと感じたら、お気軽にLINEで聞いてみてください。

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MR.HOOPのワンポイント・アドバイス

MR.HOOP

やあ!みんな、調子はどう?MR.HOOPだよ!
会議の前に頭がぼんやりするのって、実は気合いの問題じゃなくて、朝から燃料が足りていないだけかもしれないよね!
だったら、カバンにバナナやおにぎりを1つ入れておくだけでも、午後の集中力は変わってくるはずさ。
残業でヘトヘトになった夜は、遅い時間にがっつり食べるより、温かいスープをひと口入れて、早めに休むほうが翌朝は楽になるはずだよ。
体は、毎日の食べ方の積み重ねでできているからね。
まずは今日の1食から、一緒に整えていこう!

おわりに

朝にベッドの上で気持ちよく伸びをする女性

寝ても疲れが取れない背景には、血糖の波や鉄不足など、栄養の「燃料」と「材料」の不足が隠れていることがあります。
検査で異常なしと言われても、つらさが気のせいというわけではありません。
まずは、食事の間隔や補食、鉄やマグネシウムを含む食品といった、小さなところから見直してみてください。
サプリメントは自己判断で始めず、数値が気になるときは、医療機関で検査を受けてから考えましょう。
朝からすっきり動ける毎日を取り戻したい方は、HOOPで一緒に考えていきましょう。

引用文献

1)分子栄養学とは?トレーナーが学ぶとどのような介入ができるか事例解説. AZCARE ACADEMY. 2022. https://academy.azcare.jp/owned_media/orthomolecular/
2)Diet and Sleep Physiology: Public Health and Clinical Implications. Frontiers in Neurology. 2017;8:393. https://www.frontiersin.org/journals/neurology/articles/10.3389/fneur.2017.00393/full
3)Iron supplementation for unexplained fatigue in non-anaemic women: double blind randomised placebo controlled trial. BMJ. 2003;326:1124. https://www.bmj.com/content/326/7399/1124
4)Efficacy of iron supplementation on fatigue and physical capacity in non-anaemic iron-deficient adults: a systematic review of randomised controlled trials. BMJ Open. 2018;8(4):e019240. https://bmjopen.bmj.com/content/8/4/e019240
5)The effect of magnesium supplementation on primary insomnia in elderly: A double-blind placebo-controlled clinical trial. Journal of Research in Medical Sciences. 2012;17(12):1161-1169. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3703169/